自賠責保険でカバーされる損害の範囲は?

自賠責保険でカバーされる損害の範囲は?

こんにちは。西京区上桂駅前にあるさくら整骨院です。

みなさん、元気にお過ごしでしょうか?

12月になると、交通事故が急増します!!お気をつけくださいね。

今回は、自賠責保険についてお話ししたいと思います。

 

自動車および原付自転車は、自賠険に入ることが強制されています

(自賠法五条)。ただし、例外として、自衛隊や在日米軍が、その任務

のために使用する車は、自賠責保険に入っておりません。

 また、このほかにも、道路以外の場所のみに供される構内自動車や

耕うん機なども、自賠責保険は付けられていません(自賠法10条)。

 

上桂山田口松尾嵐山整骨院車の運行中に生じた人損

 自賠法三条は、自動車を運行の用に供することにより他人の生命·

身体を害したとき、自動車の運行供用者(所有者、運転していた本人等)は

損害賠償責任を負う,と定めています。自賠責保険はこの損害をカバー

するものです。

 自動車の動いている状態から止まっている状態、公の場に置いてある

状態から私的な駐車場などに置いてある状態など、どのときの事故に

ついて自賠責保険が適用されるか言うと、抽象的には自動車を運行の用に

供したとき、つまり自動車をその本来の装置の用い方に従って用いた時と

されています。

 これには、自動車を走行させているときはもちろん、停止した自動車のドアの

開閉で事故を起こした場合、レッカー車のクレーンの上げ下げで事故を起こした

場合、短時間駐車して積荷の荷下ろしをしているときにその荷の落下で事故を

起こした場合(ただし、荷物の落下については学説も判例も分かれる)等、すべて

が含まれます。

 高速道路に駐車してあった車に後続車が追突した場合、駐車してあった車の

エンジン等がすべて切られていても、駐車そのものが運行に当たるとされた判例も

あります。

 また、駐車場内の事故であっても、路上の事故であっても、自賠責保険の対象

となります。

 ところで、自衛隊,在日米軍の自動車が職務中に事故を起こした場合、自賠責

保険は付いておりません。しかし、この場合でも被害者は、国家賠償法により

日本国に対して、損害賠償を請求することができるのです。

 このほか、機内自動車や農耕用の特殊車両が起こした事故の場合でも自賠責保険

保険の締結が強制されないからと言って、加害者(運行供用者)が免責される

ということではなく、自賠法三条による損害賠償責任を負うのです。

 さらに、轢き逃げなどのように加害者が誰かわからない場合や、自賠責保険に

入るべきであるのに入っていない無保険車の事故の場合には、被害者は自賠法

七二条により、政府に対して損害賠償を請求できます。

 

上桂山田口松尾嵐山整骨院他人の生命·身体を害した場合に適用

 つぎに自賠責保険は、他人の生命または身体を害した場合に適用されます。

被害車両に乗っていた人や、歩行者が他人に該当することは、あまり問題が

ありません。

 事故を起こした車に同乗していた人が死亡,傷害などの損害を受けた場合、

その被害者が車の運転を交替でしていて、たまたま運転していなかった時に

事故が起きたような共同運行者の場合を除き、単なる友人知人、行きずりの

第三者の関係しかない場合は他人に該当します。

 同乗者には、自賠責保険,任意保険と対人賠償保険が適用されないと思って

いる人が意外に多いのですが、この認識は誤りです。同乗者であっても、

加害者である運行供用者から見て他人に該当すれば、対人賠償保険の

の対象となります。ただし、任意保険では、保険会社が免責される条項が、

いくつか規定されていますから注意してください。

  被害者が他人かどうかで従来議論されていたのは、同乗していた

親族が被害者になった親族間事故の場合です。

  判例は、親族も他人に該当するとしていますし、自賠責保険・

任意保険も他人性を認めて支払いの対象としています。

  自賠責保険·任意保険は、かつて慰謝料だけは減額していましたが、

平成四年八月一日以降の事故については、これもなくなりました。

また、車の所有者等本来運行供用者の立場にある者が同乗者として

被害を受けた場合ですが、最高裁は被害を受けた同乗者が運転していた

加害者と共に共同運行供用者であり、車の使用目的や使用時間等から見て

被害を受けた者がより「直接的·顕在的·具体的」に車の運行を支配していた

場合は他人に該当しないとしました(昭和50年2月4日判決)。

 逆に、平成9年10月三31日最高裁判決は、車の所有者が運転代行業者に

運転を依頼し事故にあったときに「他人性」を認めて自賠責保険により

賠償を受けられるとしました。

  自賠責保険によりカバーされる範囲は、原則として人損だけです。

 死亡あるいは傷害、後遺症を受けた場合の治療費、付添看護費用、

通院交通費、休業損害、慰謝料、逸失利益(死亡、後遺症を受けた

被害者がその死亡、後遺症がなければ将来得られたはずの収入)、

葬式代、将来にわたる看護費用等が人損としてカバーされます。

  ところで、眼鏡、松葉杖等、通常身体の一部の機能を果たしている

物が損害を受けたときは、厳密には物損となりますが、死亡·傷害と

いう人損に必ず伴う損害と言,えますので、人損に含めて自賠責保険が

適用されます。

 なお、背広等の衣類については、認める判例否定している判例と、

裁判所の判断は分かれています。もっとも、装飾品や自転車、乗用車等

の物損はカバーされません。

 

上桂山田口松尾嵐山整骨院加害者が無保険で資力がない場合

 加害者が任意保険に加入しておらず、また賠償責任を負う運行供用者が

無資力の場合には、自賠責保険を大事に使わなければなりません。 

たとえば、交通事故を起こし、不幸にもケガをして病院にかつぎ込まれると、

病院の姿勢によっては、当然のように、「自由診療」による治療費を請求

してくる所があります。

  しかし、自由診療の金額は、健康保険を使った診療に比べると、同じ治療行為

が二倍から四倍程度まで高いのです。

  つまり、病院は同じ治療行為をしながら高い代金を取れるし、しかも健保組合

負担分と患者負担分とに分けて治療費の請求をする煩わしさがありませんから

自由診療を歓迎するのです。

  ただ、自由診療を続けていれば、あっという間に傷害事故に支払われる

120万円という保険金の限度額に達してしまいます。そうなると、その他に

休業損害や慰謝料が生じても自賠責保険からは支払いを受けられなくなって

しまいます。

  それにしても、交通事故に健康保険が使えないという根強い誤解があるのは

残念なことです。交通事故でも、入院初日から最後の診察日まで、全部について、

健康保険を使うことができるのです。

 入院や治療が長引きそうだと判明したときは、すぐに健康保険診療に切り換え

るよう病院と折衝した方が賢明です。

 

交通事故に関するお身体の相談や治療は当院にお任せください!!

親身になって対応させて頂きますので、どんな小さいことでも大丈夫ですので、

一度お電話下さい。